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パフォーマンススペース

まちの人をゲストにお呼びし、参加者と気軽におしゃべりする座談会です。

今回は「みずのうえ文化センター」との連動企画。

豊橋在住の現代美術家、鈴木淳夫さんをお招きし、普段の生活や豊橋を拠点に創作活動を行うに至った経緯、想いなどについて伺います。

みずのうえ文化センターの山田晋平さんにも参加していただき、この地域におけるアートの話などにも触れていきます。

日時:2月2日(金)19:00~20:00

場所:パフォーマンススペース

ゲスト:鈴木淳夫(現代美術家)

    山田晋平(舞台映像作家)

みずのうえ文化センターの連動企画についてはコチラ

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レポート

図書館スタッフが色々な人をお招きしながら、平日の夜に交流を楽しむ不定期企画、図書館「夜会」。

今回のゲストは現代美術家の鈴木淳夫さんと、舞台映像作家でみずのうえ文化センターの山田晋平さんです。

通常10人前後での開催を基本としている「夜会」ですが、今回はなんと36人の参加!!

会場が間違っているような気もしましたが…夜会はできる限りフラットな距離感で開催したいという思いもありまして。

過去にない雰囲気の夜会になったかと思います。

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さて、今回はみずのうえ文化センターとの連動企画ということで…みずのうえ文化センターについてはこちらをご覧ください。

2/2より鈴木淳夫さんの作品が大豊商店街に並び、2/11にはワークショップも控えているというタイミングでの開催となりました。

作品の魅力や技法といった話についてはワークショップ等でお話が掘り下げられると思われたので、夜会では鈴木さん自身のことにフォーカスした内容でお届けしました。

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鈴木さんは豊橋生まれ、豊橋育ちで、高校生の頃には美術部に所属していたそうです。

その後芸術系の大学に進学した…わけではなく、進学先は静岡大学の教育学研究科。そのあとは特別支援学校の教員として働いてらっしゃったとのことでした。

教員として働いていた時も、創作活動は続けていたそうで、鈴木さんの言葉からは、鈴木さんを突き動かす想いのようなものを感じました。「時間があれば彫っていたい」という話は、それくらいに頭の中が創作のことでいっぱいなんだなと実感するものでした。

鈴木さんは創作活動をする中で様々なギャラリー(画廊)の方と知り合ったことや、展示会等への出展の話などをスライドを用いて話してくれました。

普段中々私たちが知ることのできない世界を見せていただいたような気がします。

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鈴木さんは、さまざまな色の絵具層を重ね、ドット状に彫り出すことで、絵画ともレリーフともつかないユニークな形状の作品を生み出しています。

この技法を目にして私が思っていた疑問をぶつけました。

美しい漆器の数々を生み出す漆工技法の「彫漆」。この技法の影響を受けていたりしますか?という内容です。

私が尋ねると、特にそこから影響を受けたということはなく、むしろ現在のスタイルになってから知ったというお返事が。伝統技術に通じるようなスタイルを自ら創り出したということに私は驚きましたし、鈴木さんは彫ったその断片を用いて立体作品を創り出したりとさらに発展性を持たせています。

改めて私は今すごい方とお話をしているのかもしれないな…と思いました。

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鈴木さんと山田さん、お二人に共通していることは、「豊橋を拠点にしている」という点です。

鈴木さんは豊橋生まれ、山田さんは異なる、という違いはあるものの、お二人とも豊橋に住居を構え、創作・表現活動をされています。活動のフィールドは全国に及んでいますが、お二人とも豊橋には帰ってくるという点において同じです。

「上京」という言葉があるように、ジャンルを問わず、何か新しいものと創ったり、表現したりすることのチャンスは都会に多く転がっているような印象があります。しかしお二人は豊橋を拠点としている。この点についてその理由などをお尋ねしました。

するとお二人からは、「豊橋ではできないということはない」旨のお返事がありました。

前回の夜会の橋口さんのお返事に通じるものがありますね。

むしろ豊橋は東京と大阪のちょうど真ん中で新幹線も通り、移動がしやすいし、鈴木さんからすると「豊橋の絶妙に刺激の無さが制作環境としては没頭出来てよい」という話もありました。

山田さんからは「豊橋でできない・結果が出せないと言っているようなら東京に行ってもダメだと思う」というお話もありました。

自分が何かを創りたい・表現したいというのに、土地は関係ないのかもしれないですね。当然種類にもよるところはあると思いますが、豊橋でも創作活動はできるんだ、と誰かの背中を押すことができていたら嬉しいなと思います。

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話したいことは尽きず、少し時間をオーバーしてしまった今回の夜会。

夜会終了後もその場に残り、いろいろな会話をしている参加者のみなさんの姿が印象的でした。

これからも様々な人と出会い、交流できるこういった企画を開催したいと思います。

みずのうえ文化センターで行われた企画のレポートはこちら