羽田八幡宮文庫

羽田八幡宮文庫

幕末、三河国渥美郡羽田村(現豊橋)の羽田八幡宮宮司であった羽田野敬雄(はだのたかお)は、学問に対する志が強く、初め本居大平、のち平田篤胤に入門して国学を学び、その普及に努めた。
維新の志士たちとの交流も深く、維新後は京都皇学所や豊橋藩皇学校教授を務め、国学の重鎮として活躍した。
羽田野敬雄
羽田野敬雄

自らの蔵書を基に、屋敷内に文庫を設立し、閲覧室や講義室を併設して広く学問を志す者に公開するなど、いちはやく近代的図書館の基礎を築いた。 羽田野敬雄が発起人となり、嘉永元年(1848)自らの蔵書を基に文庫を設立、寄贈を募るなどして順次充実を図り、閲覧室や講義室をも併設して、一般に広く公開した。 敬雄没後、文庫の蔵書が売却されたが、人々の努力によってその大部分が買い戻され、後に豊橋市図書館の所蔵となって文庫が開設された。 なお、平成15年(2003)度から10か年計画で、これら和装本の整備事業が進めらている。 参考資料『個人文庫事典II』より

羽田八幡宮文庫常設展(2階)
羽田八幡宮文庫常設展(2階)

羽田八幡宮文庫 デジタル版

羽田八幡宮文庫の蔵書は、羽田野敬雄が国学者平田篤胤の門下だったこともあり、国学、神道、史学、歌書、俳諧の資料が多数で、漢籍資料も所蔵している。
また、『解体新書』『機巧図彙』といった科学的な資料もある。
その他、敬雄自筆の書留類も多く、代表的なものは敬雄の日記『萬歳書留控』である。
さらに、いろいろな書籍からの抜書き敬雄の随筆、記録等を書き留めた『栄樹園聞見集』他を多数所蔵している。これらは、この地方の歴史・文化を調べる上で重要かつ貴重な資料である。

羽田八幡宮文庫 デジタル版は豊橋市図書館が所蔵する羽田八幡宮文庫の書籍を電子画像にて提供するものです。

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資料

羽田野敬雄が宮司であり、国学者であったことから、神道や国学に関する資料が多いが、その他農業・医学・天文・語学・異国情報等多岐、広範囲にわたり、『解体新書』『蘭学階梯』等貴重なものをはじめ、約9,600冊からなる。
一方、敬雄は郷土への関心が高く、『三河国古蹟考』『三河国蚕糸考』『参河国官社私考』等多くの著作や、1811(文化8)年から1871(明治4)年までの61年間にわたる見聞記録『萬歳書留控』も含まれている。
参考資料「個人文庫事典II」より

平田先生授業門人姓名録 ※羽田野敬雄名 記載あり
平田先生授業門人姓名録 羽田野敬雄名 記載あり
大宮御所図
大宮御所図
内裏図
内裏図

資料 一部例

羽田文庫紅葉の図(鈴木拳山筆)
羽田文庫紅葉の図(鈴木拳山筆
羽田八幡宮文庫旧蔵本目録
羽田八幡宮文庫旧蔵本目録
1羽田文庫貸出箱(画像).JPG
羽田文庫貸出用箱(羽田八幡宮蔵)

貸出用箱の蓋の内側には貸出しの三ヶ条が書かれています。
内容は二部十巻、一月借用できる。汚してはいけない。
他郷の人は廡下(のきした)でみなさい等です。

1羽田野敬雄肖像画2.jpg

羽田野敬雄
「中外の諸典を積む」の書(三条実万卿筆)
「中外の諸典を積む」の書(三条実万卿筆)
羽田野敬雄と花田校区を中心とした歴史散策マップ (PDF:592KB)