昭和48年(1973)10月、豊橋出身で洋書の丸善相談役の司忠氏が満80歳を記念して豊橋市へ文化振興のため3,000万円を寄附されたのを受けて、翌昭和49年11月、豊橋市民文化会館(図書館)内に洋書の文庫である「司文庫」が開設されました。
司文庫の収集の主なものは、人がはじめて出会う本としての世界各国の絵本と教科書、各種図鑑類、美術書、そして世界の古典です。
司忠氏は文庫開設後も、昭和53年度までは毎年300万円、以降毎年500万円を寄附されました。氏が昭和61年に逝去され、ご遺族より1億円が寄附されたのを受けて、豊橋市司文庫基金を設置しました。
以降この基金の利子をもとに、図書の収集を図っています。開設時9,296冊だった蔵書数は、現在3万５千冊を超え、特に絵本は約9,500冊、教科書は約80ヵ国、1万冊以上と大変充実しています。

司文庫パンフレット(PDF:1704kb).PDF

資料

司文庫の主な貴重資料としては、ケンペルの『日本誌』(The historyof japan vol.1.2)ヨｰロッパ人の日本研究・日本人研究に新機軸をひらいた名著やペリｰの『日本遠征記』 (Narrative of the expedition of an American squadron to the China Seas and Japan vol.1-3)ペリｰ提督が｢黒船｣で江戸幕府を震撼させ、日本を開国させることとなったときの記録やヘディンの『南チベット』 (Southern Tibet vol.1-12)スウェーデンの地理学者ヘディンの中央アジア地域探検報告書などがあります。

また、豊橋市司文庫基金から得られる収益により、(1)人がはじめて出合う絵本、教科書(2)生活に役立つ各種図鑑、(3)生活に潤いをもたらし、創造性を豊かにする各種美術書、(4)世界の古典を収集指針として現在も文庫の充実を図っています。