徳川家創業の歴史をまとめ、徳川家康研究の重要資料とされる『松平記』(※1)は、
全国に30点程度の写本があることが確認されています。
今回、当館で所蔵する『松平記』を調査した結果、
吉田藩4代藩主松平忠房(※2)の直筆、かつ最古級の写本であることを確認しました!
江戸時代における家康研究の先駆けの資料といえます。
そこで、現在開催中の図書館資料展ふるさと探訪「若き家康 奮闘の軌跡ー重臣酒井忠次・東三河の国衆と過ごした日々ー」の中で、速報展示を開催します。また、2月25日(土)にまちなか図書館で開催のトークショーのなかでも紹介します。
※1 『松平記』は江戸時代初期に成立したとされる徳川家創業の歴史をまとめた書物(オリジナルの原本は不明。)。1610年前後に成立したと推定されるため、江戸時代に入ってしばらくしてから書かれた同様の本と違い、徳川家康を神格化した逸話(創作)があまり書かれていません。これまでも、家康の実像に迫ることのできる歴史資料として、歴史研究でも多く使用されてきました。
※2 松平忠房(1619~1700)は、吉田(豊橋)で生まれ、14歳で家督を継ぎ、吉田➡刈谷➡島原へと転封を繰り返しました。多くの書物を収集するとともに、自らも歴史書の編纂を行ったことで知られます。(『大日本史』の編纂を開始した水戸徳川家・徳川光圀〔水戸黄門〕と並ぶ歴史通としても知られます。)
速報展示について(図書館資料展ふるさと探訪「若き家康 奮闘の軌跡-重臣酒井忠次・東三河の国衆と過ごした日々-」)
期間
2月15日(水)から3月19日(日)
場所
中央図書館2階展示コーナー(豊橋市羽根井町48番地)
➡展示の内容についてはこちら
まちなか図書館トークショー「徹底検証! 家康伝承のウソとホント」
開催日
2月25日(土)14時から15時
定員
50名(申込不要)
場所
まちなか図書館中央ステップ
内容
家康ゆかりの地として知られる三河・遠江・駿河の家康伝承を徹底検証するとともに、
このような伝承が何故つくられてしまったかを解説します。
話し手
岡村 龍男(当館学芸員)