イベント

館長の種田が、いま一番会ってみたい人、皆さんにぜひ知ってもらいたい人をお招きしてお話しします。

5月のゲストは、工務店・(株)イトコー社員の松原さん。築100年超の古民家をリノベーションした自宅を「千両宝辺」と名付け、地域の人々がつながる空間として開放しています。人が集う"場"づくりや、古い建物に手を入れて暮らす楽しさなど、同じく古民家で暮らす種田がお聞きします。

日時:5月15日(日) 14:00~15:00

場所:まちなか図書館2F 中央ステップ

講師:松原登志雄(手のものがたり「千両宝辺」家主、株式会社イトコー・空き家担当)

定員:50名(先着順・参加無料)

レポート

松原さんと初めてお会いしたのは、私が豊橋に移住を決めて家探しをしているときでした。

どうしても古民家に住みたくて、工務店で空き家再生担当をしている松原さんに物件探しをご相談していました。

その時に、松原さん自身が古民家に住まれていること、あまりに大きなおうちなので自宅の一部を開放して地元の作家さんや写真家の方の作品展などを開催されていることを伺い、ぜひ一度ゆっくりお話しを聞いてみたいと思っていました。

まちなか図書館が開館して約半年が経ち、「人が自然と集う”場”のチカラや魅力ってなんだろう」と考えることが多く、ヒントをもらうつもりで松原さんに対談のオファーをしました。

前半は人の集まる場づくりについて、後半は古いものを大切に受け継ぎながら暮らす豊かさについて。

古いもの好きの二人ということで、どうしても話は古民家の魅力や四季の移り変わりを感じながら暮らす楽しさについて、脱線してしまいました(笑)

実際に住むとなると想像以上に大変な古民家暮らしの実情もお伝えしながら、「古い家は、巨大な大人のおもちゃを手に入れた感覚」と言いのける松原さんの日常について根掘り葉掘り伺いました。何でも自分で調べて直してしまうという松原さん一家ですが、現在は敷地内の蔵を自分たちの手で改修中。写真を見せながらその工程を説明してもらいました。「家も蔵も道具も、昔のものはすべて身の回りの自然にあるものでできているんだなと実感した」という言葉がとても印象的でした。

最後に、おすすめの一冊をお聞きしました。

「絶滅危惧個人商店」 井上理津子 (筑摩書房、2020)

個人商店は町の宝と、大型店に負けず個人で商売を続ける店を訪ね歩いた記録をまとめた本。こんな本が東三河版でもあったらなぁと松原さん。古いものに惹かれるのは、その背景にある物語に魅力を感じるからなんだろうなとこの本を読んで感じました。

ありがとうございました。

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