アクティブゾーン
イベント
パフォーマンススペース

詩や短歌、短い文章などを声に出して読む会です。

作品についての感想を話し合ったり、参加者同士の交流も楽しめます。

※参加自由・無料

日時:12月16日(金) 10:30~11:00

場所:まちなか図書館2F パフォーマンススペース

レポート

毎月恒例となっている、月替わりで図書館スタッフが詩や短歌などを選び、参加者の皆さんと読み上げたり、おしゃべりしたりする企画です。

今回はスタッフの増田が、年末ということもあり「年の瀬(回顧)」をテーマにいくつか作品をピックアップしました。

まずはそもそも音読について。音読には脳を活性化する働きがあったりするんですよーと紹介しつつ、皆さんと一緒に発声の練習もしていきます。

最初の作品は『外郎売』。

二代目市川團十郎が定めた歌舞伎十八番の一つとして数えられる演目で、様々な早口言葉も登場することから発声練習の題材としてもよくつかわれるものです。

全てを音読するとそれだけで終わってしまいかねないので、冒頭部分のみ。

みなさん中々良い感じ。

僕は高校生の頃演劇部に所属しており、基礎練習の一環で良くこの『外郎売』を読みました。

スーパーなどでよく並んでいる「助六寿司」の元は、同じく歌舞伎十八番の『助六』からきているんですよなんて雑学を交えながら次の作品へ。

次にセレクトしたのは漢詩の『楓橋夜泊』。

中唐の詩人で、役人でもあった張継の詩です。

河に浮かぶ船のうえで眠れない夜を迎えている張継の目に、河岸の楓の赤々とした色や漁船の漁火が映っている様子や、名鐘で名高い寒山寺の鐘の音が張継の下に届いている様子を詠った詩。

この詩は七言絶句の形式をとっており、口に出すとリズムもよくスラスラと読めます。

読んだ後は『楓橋夜泊』の中に出てくる「霜 満 天(霜 天に満つ)」という文言について参加者同士で話が盛り上がる一幕もありました。

さて、3つ目の作品は、萩原朔太郎の『クリスマス』。

萩原朔太郎と言えば「竹」などが有名で、あまり『クリスマス』は知られていないかと思いますが、時期に合わせてセレクトしました。クリスマスが今のように当たり前に生活に溶け込んではいない頃を想像しながら、みんなで音読します。

萩原朔太郎自身の話にも触れつつ、彼が書いた「中原中也君の印象」という文章についても紹介し、最後の作品へ。

4つ目、ラストの作品は中原中也の『サーカス』を選びました。

「ゆあーん ゆゆーん ゆやゆよん」という特徴的なオノマトペがつい口に出したくなる作品で、僕が音読をやるとなった時にまず最初に浮かんだ詩です。

知っている人も知らない人も、ぜひ一度声に出してこの詩を読んでみてほしいなと思いました。

この詩は冒頭が七五調に書かれているため、そういった点も口に出すと面白い点かなと思います。

(もっとも、中原中也本人は七五調ではなくわざと調子を崩した文節の区切り方で読んでいたという話もあるようですが。)

終わったあとには、詩の中に出てくる言葉に対する疑問や意味について、参加者の方とお話しました。

作品と合わせて紹介した関連書籍を借りていただける方もいて嬉しかったです。

毎回担当スタッフが変わりますので、いつ参加しても新しい雰囲気でお楽しみいただけるかと思います。

ご興味のある方は毎月のイベントチラシをご確認いただき、お気軽にお越しください!