アクティブゾーン
イベント
パフォーマンススペース

今月のテーマは「竹」。

詩や短歌、短い文章などを声に出して読む会です。

作品についての感想を話し合ったり、参加者同士の交流も楽しめます。

※参加自由・無料

日時:6月16日(金) 10:30~11:00

場所:まちなか図書館2F パフォーマンススペース

レポート

毎月恒例となっている、月替わりで図書館スタッフが詩や短歌などを選び、参加者の皆さんと読み上げたり、おしゃべりしたりする企画です。

今回はスタッフの増田が、「竹」をテーマにいくつか作品をピックアップしました。

豊橋祇園祭が来月に控えていますが、祇園祭といえば手筒花火。その手筒花火は揚げ手が竹を切りに行くところから始まりますよね…と話しつつ、

ヨウカン手筒花火を見せながら今月の音読、スタートです。

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まずはそもそも音読について。音読には脳を活性化する働きがあったりするんですよーと紹介しつつ、皆さんと一緒に発声の練習もしていきます。

最初の作品は『竹取物語』。

みなさん読み慣れた「今は昔…」から始まり、かぐや姫が見つかったシーン「いとうつくしうてゐたり」まで。

やはり皆さん知っている文章はスラスラ読めるようです。紙がなくても読める人もいたんじゃないかな。

読み終わった後は、少しだけ古文のお話を。

係結びの法則や「けり」と「たり」の違いなど、知っておくとより作品が楽しめるようなポイントを紹介しました。

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次にセレクトしたのは『筍の美味さは第一席』。

北大路魯山人が筍について自身の考えを述べた文章。

読んでみると「ふーんそういうもんか」という感想でしたが、たまにはこういう文を読むのも良いですね。

スタッフからはちょうど昨日「はちく」を食べた、という話もあがり、作品の中に挙げられた竹の種類などで盛り上がる場面もありました。

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さて、3つ目、4つ目の作品は、萩原朔太郎の『竹』二連作。

最初に『竹』が入っている詩集、「月に吠える」の説明から始め、少しだけイメージを膨らませながら音読に入ります。

また、二作目の『竹』の中にある「繊毛」という単語の読み方についても皆さんに投げかけました。

せんもう と読むとする説もあれば、 わたげ と読む説もあります。

ちなみに私は、今回イベント用に読む原稿を作った時に「わたげ」とルビを振りました。

読み終わったあと参加者同士でおしゃべりしていると、「せんもう」派も「わたげ」派もいらっしゃり、

お互いの意見に耳を傾けながら話が盛り上がりました。

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ラストの作品は、新美南吉の『たけのこ』。

『ごんぎつね』などが有名ですが、『たけのこ』も言い回しが可愛らしく素敵な作品です。

最後は小難しい話やウンチクは抜きにして、シンプルに口に出してみんながホッとできるような作品にしたいなーというセレクトでした。

みなさん狙い通り(?)、にこやかな顔をされていたので嬉しかったです。

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イベント終了後、今回初参加だったという方から、

「学生の頃、『竹』を合唱したことを思い出しました。昔の思い出が蘇ってきて、嬉しかったです。参加してよかったです」

というお言葉をいただき、それもとても嬉しかったです。

ちなみにその時は、「わたげ」と読んで歌っていたということをこっそり教えてくれました。

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この企画は毎回担当スタッフが変わりますので、いつ参加しても新しい雰囲気でお楽しみいただけるかと思います。

来月のテーマは「星」!

どんな「音読とおしゃべり」になるのか、楽しみですね!