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中央ステップ

三河で菓子製造業が盛んなのはなぜ?日本の菓子文化は、豊橋のある人物のおかげで守られたと言っても過言ではない?豊橋にはお菓子の神様が祀られている?...など、あまり知られていない、実はすごい東三河のお菓子の話をお届けします。

日時:917日(日)14001500

場所:中央ステップ

ゲスト:須川妙子(愛知大学短期大学部 教授)

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レポート

まちなか広場を中心に、まちなかで行われた「穂の国お菓子まつり」との連携企画として開催した本企画。広場では様々なお菓子を実際に買ったり食べたりできる一方で、何か図書館としては学びになることはできないかと考えてできた企画です。

愛知大学短期大学部教授で、この地域のお菓子文化に精通している須藤妙子様をゲストにお招きし、東三河のお菓子の歴史などについてお聞きしました。

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大きな括りとしては、「日本のお菓子文化の歴史について」、「菓子文化史と三河の関係性」「お菓子の神様について」の3点。

まずはそもそも日本におけるお菓子の始まりはいつなの?というところから話を進めました。

神話として伝わっているような話から、平安時代では『枕草子』で甘蔦煎(あまづらせん)というものが紹介されているというお話、その後禅宗が伝わるタイミングで唐菓子(とうがし・からがし)や点心(てんじん)などの文化が伝わり、南蛮菓子が伝来した際にはカステラや金平糖といった今でも僕たちが口にするものが伝わり‥‥という風に、時代とともにお菓子の種類は変わりながらも現在にいたるまで続いているというお話です。話しながらお腹がすいてくるような話でしたが、須川様から伺う話はどれも面白いものばかりでした。

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「菓子文化史と三河の関係性」の話では、饅頭の祖・林浄因が三河と関係していることや、お菓子の行事「嘉祥」発祥の地という説がある、など、これも中々知らないことが多かったのではないかと思います。

何より大きいのは、明治18年頃より始まった「菓子税」の話。非常に複雑かつ重い税で全国の菓子業者が苦しんだこの「菓子税」の全廃運動の立役者が、豊橋の横田善十郎という方であること。チラシなどで書いた「日本の菓子文化は、豊橋のある人物のおかげで守られたと言っても過言ではない?」というのはここの話です。

そして最後に「菓子生産の近代化・量産量販」について。全国のコンビニやスーパーなどで見かけるお菓子類は、意外とこの地域の企業によるものが多かったりします。これも時代の流れに合わせ、この地域が見せた特徴である、という話は面白いポイントとして聞いた方も多かったのではないでしょうか。

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最後の項目「お菓子の神様について」。

そもそもお菓子の神様がいる、ということ自体知らなかった方も多いのでは?私も恥ずかしながら、この企画をするまで知らなかったです。

なんとその「お菓子の神様」が、豊橋の羽田八幡宮内の中嶋神社で祀られているというお話です。祀られるようになった経緯としては、当時の豊橋菓子協会が但馬国中嶋神社より勧請し分社を創建したことによります。

先生からは、それだけ当時のこの地域の人にとってお菓子文化というのが大事な物であったということだろうというお話もありました。この地域が誇る一つの文化として、忘れてはならないことかもしれません。

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こういった歴史や文化の話は、時代の流れとともに記憶から薄れていくものも多いように思います。まちなか図書館は、こういった話を人から人に伝え残していくことも重要なやるべきことだと思い企画を実施しています。これからも様々な企画を実施していくので、ぜひご参加いただきたいです。

ちなみに私はトークイベント後、当日限定の地域のお菓子がぎゅっと詰まったオリジナルパフェを食べました。

とってもおいしかったですよ!