2025年4月 3日号
2025年4月 3日
bibligarevol.10
『これまでも、これからも、挑戦し続ける図書館へ』
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発行部数:3,000部
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配布場所:まちなか図書館、中央図書館、向山図書館、大清水図書館、市役所じょうほうひろば、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、こども未来館ココニコ など
bibligare発行のウラガワを紹介!
今回、区切りとなるvol.10を迎えるbibligare。各号が発行されたそのとき、まちなか図書館の裏側ではどのようなことが起きていたのか、表紙とともに振り返ります。開館準備室時代の話や、設計に込められた思い、まちなか図書館の特色ともいえる「テーマ配架」の誕生秘話など、開館前の様子を知ることができる内容になっています。さらに、過去号に登場した方からのコメントや、公共図書館と民営図書館の館長による読み応えのあるコラムにも注目です!
ピックアップ!「テーマ配架ができるまで」
※紙面に掲載できなかった部分も含め、まるごと公開!!
まちなか図書館の特色でもある、従来の図書館で使用されてきたNDC(日本十進分類法)にとらわれない、独自のテーマ配架。現在の姿になるまでに、どのような道のりがあったのでしょうか?
開館準備室時代からまちなか図書館を支える二人の司書に話を聞きました。
(左)小川訓代(まちなか図書館司書)(右)大林正智(元まちなか図書館司書・現益子町地域プロジェクトマネージャー)
小川:まずはコンセプトを読み込んで、ゾーンでの活動をイメージして、そこにどんな本があったら魅力的か、役に立つかを考えに考えて。ジャンルやキーワードを洗い出してストーリーを組み立てていった感じかな。でも、集めた本を書架に並べてみたら、やっぱり違うとかここは分けた方がいいとか七転八倒しながら今のかたちになったね。普段本を読まない人たちにも気軽に使ってほしいという思いから、初心者向けの本や、思わず手にとってみたくなるビジュアルの本を多く入れたね。
大林:そうだね。あとは、おしゃべり・飲食OKというまちなか図書館の館内の雰囲気も考慮して選書したよね。NDCによる本の分類にとらわれず、一冊一冊と向きあったことが、棚のユニークさにつながっているのではと思っているよ。枠が決まっていての選書は難しいところもあったけど、面白かったね。
小川:実際には、本棚に置いてあるA6サイズの見出しでテーマ配架を感じている人も多いんじゃないかな?1000個くらいの見出しとキャッチコピーを当時の司書で分担して考えたんだよね!それぞれの個性が出ていて面白いから、ぜひ注目して見てほしいね。その棚の本たちがどんな内容なのか、一目でわかるところも良いよね。
大林:あれは象徴的だよね!確か開館直前に数日で考えたような...。ここだけの話、すごくいいのができた!っていうのもあれば、あの時は疲れてたなっていうのもあるよ(笑)あまり詳しくないジャンルはいろいろ勉強して、棚から話しかけるような、そんな言葉を頑張って考えました!例えば、囲碁の本が並ぶR16-06の棚は囲碁について詳しくなかったけど、いろいろ調べて良いのができたよ。一方、R13の犬に関する本は、犬を飼うときに役立つ本はR13-01、犬の生態など一般的な犬に関する本はR13-02に分けて配架していて、それぞれ「わん!」「わんわん!」と見出しをつけました。ちなみに、猫バージョンも同じく「にゃん!」と「にゃん!にゃん!」です(笑)
小川:私は、大林さんが考えたR16-14「カリカリカリ...」好きだなぁ(笑)同じ本でも、集め方や並べ方、魅せ方によって訴求力が変化するから、司書の腕の見せどころだよね!もともと図書館を利用したことがない人でも、館内を一周すれば何か興味のある本に出会える図書館にしたいというのがあるから、自分でも気づいていない潜在的な興味を引き出せるような棚づくりをしていきたいね。
小川:棚づくりについて開館前からのことを思い返してみると、いくつかの視点をもって、まちなか図書館のコンセプトや、中央図書館の分館としての役割などを踏まえながら、どこに重きをおいて棚づくりをしていくか、チューニングしていった感じかな。1冊1冊の本の内容を吟味しつつ、テーマごとで並べたとき、つまり本が集まって集合体となったときにどんな新しい世界、メッセージが生まれるかを考えて選書したよね。あと、表紙デザインや厚さ、手触りなどの物理的な本の魅力も読むかどうかの判断材料になると思うから、選書の際には大切にしたね。ここで全部は説明できないけど、そういったいくつかの視点をもとに、大林さんや他の司書ともコミュニケーションをとりながら進めていったね。
大林:懐かしいねぇ。大変だったね...。でも、そうやっていろんな視点で本を選び、棚をつくったから、今の形があるんだよね。テーマ配架だと、どうしても本が偏っているんではないかという印象を持たれやすいけど、まちなか図書館の本は図書館として欠けている分野はなくて、NDCでみても網羅されてます!
2024年4月 2日号
2024年4月 2日
bibligarevol.9
『まちなか図書館のない人生なんて』
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発行部数:3,000部
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配布場所:まちなか図書館、中央図書館、向山図書館、大清水図書館、市役所じょうほうひろば、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、こども未来館ココニコ など
まちなか図書館ユーザーにきいてみた!みんなの図書館利用術
まちなか図書館には、イベントや館内設備など、本だけではないさまざまな特色があります。開館から2年が経ち、館内ではそれぞれの過ごし方で図書館を利用している方をお見かけします。そこで、今回は利用者の方に「おすすめの図書館での過ごし方」をお聞きしました。みなさんの図書館利用術を参考にして、まちなか図書館を使い倒していただけたら嬉しいです!
また、豊橋在住の漫画家で、まちなか図書館ユーザーでもある津島つしまさんのインタビューも掲載しています。
2023年4月 5日号
2023年4月 5日
bibligarevol.8
『新たな出会い、つながる人たち』
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発行部数:3,000部
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配布場所:市役所じょうほうひろば、まちなか図書館、中央図書館、向山図書館、大清水図書館、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、こども未来館ココニコ など
気になるあのヒトに会いに行こう。定期開催のイベント紹介!
市民の交流や情報発信を応援するまちなか図書館。開館後は各所と連携したイベントを積極的に開催。人と人が出会い、伝わった情報が、皆さんの知の世界を広げ、新たな発想や価値観の創造に繋がるような機会を提供しています。今回はまちのヒトやコトについて、気軽に知ることができる定期開催イベントをピックアップし、館内のにぎわいやスタッフの思いを伝えています。また、昨年度に引き続き当館スペシャルライブラリアンとして活動いただいております松井玲奈さんとのインタビュー記事も掲載しております。
2022年4月 5日号
2022年4月 5日
bibligarevol.7
『生まれるつながり、にぎやかなまち』
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発行部数:3,000部
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配布場所:市役所じょうほうひろば、まちなか図書館、中央図書館、向山図書館、大清水図書館、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、こども未来館ココニコ など
生きた情報の行き交う空間。これまでのイベント総振り返り!
市民の交流や情報発信を応援するまちなか図書館。開館後は各所と連携したイベントを積極的に開催。人と人が出会い、伝わった情報が、皆さんの知の世界を広げ、新たな発想や価値観の創造に繋がるような機会を提供しています。今回は開館から令和4年2月までに行われたイベントの中から、21のイベントをピックアップして振り返り、館内のにぎわいやスタッフの思いを伝えています。
2021年4月 5日号
2021年4月 5日
bibligare vol.6
『まちなかから世界へ発信!カウントダウンまちなか図書館』
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発行部数:3,000部
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配布場所:市役所じょうほうひろば、中央図書館、向山図書館、大清水図書館、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、こども未来館ココニコ など
「まちなかプレイヤー」が考える図書館の新しい使い方!
市民の交流や情報発信を応援するまちなか図書館。水上ビルでセレクトショップやレンタルスペースなど個性的な店舗を経営する4人のプレイヤーをはじめ、まちなかで活躍するさまざまな方に、そこで実現したいことや、図書館への期待について伺いました。その他、決定したロゴマークの紹介、準備が進みつつある本選びの内幕など、盛りだくさんの内容です!
2020年12月 1日号
2020年12月 1日
bibligare 号外
「まちなか図書館、開館まであと1年!」
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発行部数:3,000部
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配布場所:じょうほうひろば、中央図書館、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、こども未来館ココニコ など
開館まであと1年とせまったまちなか図書館(仮称)の特徴的なスペースを紹介します。
まちなか図書館(仮称)が目指すのは、市民が情報を受信するだけでなく、発信することもできる、アンテナのような図書館「アンテナ・ライブラリー」。今回はその特徴的なスペースを紹介するとともに、新しい図書館づくりのために市民が意見を出し合ったワークショップの様子や、書店と図書館の連携のあり方についてもお伝えします。
2020年3月 1日号
2020年3月 1日
bibligare vol.5
「市民のサードプレイスを目指して」
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発行部数:3,000部
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配布場所:じょうほうひろば、中央図書館、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、こども未来館ココニコ など
まちなか図書館(仮称)が開館前から行っているプロジェクトを紹介!
家庭でも職場でもない、親しみやすく居心地のよい第3の場所「市民のサードプレイス」を目指すまちなか図書館(仮称)がサポートする大人の部活動「豊橋ライターズ」を総力特集。部員全員に共通しているのは「豊橋が気になっちゃう」という郷土愛と好奇心。家庭でも職場でもない場所で共通の趣味により繋がった市民が"ゆるく楽しく"活動する様子をお届けします。
2019年3月 1日号
2019年3月 1日
bibligare vol.4
「人と人が繋がる新たなコミュニティの誕生」
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発行部数:3,000部
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配布場所:じょうほうひろば、中央図書館、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、こども未来館ココニコ など
まだ出来ていない図書館が仕掛ける・サポートするプロジェクトを紹介!
まちなかのお店や施設に本を置き、そこに置かれた本を通して市民とお店の人たち・市民同士が交流を楽しみ取組み「まちじゅう図書館プロジェクト」を総力特集するとともに、豊橋のまちについて、感心を寄せる市民が表現の技術を学びあい、取材活動やまちに関する情報発信を行う''大人の部活動''を目指しスタートした「豊橋ライターズ」の活動内容を紹介しています。
2018年3月 1日号
2018年3月 1日
bibligare vol.3
「新たな文化を創造する」
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発行部数:3,000部 中心市街地の書店やカフェなどの店舗でも配布しています!
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配布場所:じょうほうひろば、中央図書館、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、こども未来館ココニコ など
今回はテーマを「新たな文化を創造する」とし、平成29年度に開催した地域連携促進事業の中から"市民による創作活動・情報発信"の促進に向けた取組みを中心に特集を組み掲載しています!
まちについて考え、その想いを発信する人材の確保・育成を目指して開催した「表現力向上ワークショップ」から、参加者が執筆したショートエッセイを「豊橋のシチズンシップ」として掲載したほか、"まちを本にしてみよう"という発想のもと行った「小説執筆ワークショップ」で生まれた市民が執筆した"初"の小説集「ブックトープ豊橋」からも作品の一部を 掲載しており、全体的にこれまでより読みごたえのある内容としました!
2017年3月 1日号
2017年3月 1日
bibligare vol.2
「まちづくりにつながる図書館へ」
vol.2 本とわたし 鈴木亜由子選手 突撃インタビュー
※紙面上掲載できなかった部分も含め、まるごと公開!!
第2号を制作するにあたって、豊橋出身の陸上選手、鈴木亜由子選手(日本郵政グループ女子陸上部キャプテン)にインタビューを行いました。
リオオリンピックにも出場し、東京オリンピックでは金メダルも期待される逸材。時習館高校から名古屋大学に進学するなど、その経歴からも分かる通り、陸上だけではなく勉学にも励んだ彼女の学生時代、実は本とともにありました。
「本は自分にとって重要なツール」と語る鈴木選手。なぜそう話したのか、この記事を読めば分かることでしょう。
また、ビブリガーレでは掲載できなかった、陸上に対する考え方もお話を伺いしてきました。
―― 学生時代、図書館は利用していましたか
鈴木 学校の図書館はよく利用していましたね。小学校、中学校の頃は、ミステリー系が好きで、図書館で本を借りて読んでいました。『夏と花火と私の死体』という小説を小学生のころに読んだ時は、衝撃的でしたね。殺されてしまった人の視点から書かれた小説なのですが、まだ記憶に残っているのでかなり強烈だったんだと思います。こういった視点もあるんだなと思って、新しい発見でした。
―― 文学少女だったんですね
鈴木 思い返してみると、そのころのほうが純粋に本も楽しめていたのかなと思います。今だと、何か自分にとってプラスになるものを読みたいと考えてしまうので。
―― 今でも本を読むんですね
鈴木 はい。最近だと、トレーナーさんから勧めていただいた『勝負に強くなる「脳」のバイブル』を読んでいます。脳の仕組みを知ることでもう一段上にいけると書かれていて、実践している最中です。最近は、役に立つ本を読むことが多いですね。『嫌われる勇気』は、キャプテンとして、どのようにしてチームを引っ張っていったらいいかと考えている時に参考にしました。線を引いて読んで、勉強してからミーティングに臨んでいます。
―― 自分を高めていく本を読んでいるわけですね
鈴木 そういったものが多いですね。常に自分を超えたいという思いがあって陸上にも取り組んでいるし、そういう思いがあると何かを吸収したいと感じるようになります。そういう面で本はすごく重要なツールですよ。本屋に行って、必要だと感じたもの、ピンとくるものを選んで読んでいます。ただ、そういう類の本ばかりだと息が詰まってしまうので小説を読んだり、つい最近だと、チームメイトが読んでいた『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』も読みました。あまり偏ることもなく、ホッとできる本も読んでみたりしています。
―― 鈴木さんには活字離れという言葉は無縁ですね
鈴木 そうですね。自分が読みたいと思う本があれば活字でも嫌じゃないと思うんですよ。「こんな面白い本があったんだ」というきっかけがあればいいのかなと思います。難しい本じゃなくて、心が惹かれる本との出会い方が大切なんでしょうね。
―― 学生時代は陸上強豪校には進学せず、卒業後は日本郵政グループ女子陸上部の1期生。そういった中でも、リオオリンピック出場という素晴らしい結果を出しています。他の人がやらないようなことをして、道を切り開くようなイメージを持ちましたが、そうったことは意識されていますか
鈴木 自分ではそんなふうには思っていないですよ。1日中ずっと陸上をやっているわけではありません。陸上は陸上、勉強は勉強、とそれぞれ集中して取り組む。私としては、そうすることで相乗効果があるなと思ったんです。何をやるにしても、集中力は大事だと思っていて、それは陸上だけに特化することよりも、いろんなことを経験して学んで吸収しながら生かしていく。そんなスタイルが一番合っているのかなと思っています。
―― そうはいっても、名古屋大学に入学すること自体、簡単なことではないですよね
鈴木 振り返ってみると、忙しかったですね。でも、ぼーっとしているのが好きではなく、常に何かをしていたいという性格なので、あまり気にはなりませんでした。名古屋大学を選んだのは、地元だからということもあります。末っ子で甘えん坊だったので(笑)。
―― 強豪校に行かなかった理由はありますか
鈴木 強豪校に行ってしまうと、陸上ばかりになってしまうような気がして。少し寄り道のあるほうがリラックスして自分のペースでできるので、それが良かったんです。なので、道を切り開くなんてかっこいいことではなくて、うまくいかないときはペースダウンできる環境が良い結果につながったのかなと思います。
―― 陸上も、読書も、少し疲れたなと思ったら自分でペースダウンできるんですね。バランス感覚が優れているなと感じました
鈴木 ありがとうございます
―― それでは最後に、豊橋のまち、未来について、何か想いがあればお聞きしたいです
豊橋はふるさとなので、まちなか図書館(仮称)のような新しい試みがあって盛り上がっていくというのはすごく嬉しいです。感謝しています。帰るといつもホッとするので、そういった良いところは残しながらも、みんなが楽しめるような、また、従来とは違う新しい図書館を応援したいなと思います。どんな図書館になるのか、今から楽しみにしています。