現代のように明るい照明がなかった時代、画家たちは形の無い"光"をどう捉え、描いたのでしょうか?
中世~近代の西洋絵画を中心に日本美術からの視点も合わせながら、画家たちが描く"光"をたどるトークイベントを開催します。
これを聞けば、3月より豊橋市美術博物館で開催されるリニューアルオープン記念展「ブルターニュの光と風 画家が憧れたフランスの異郷」を一層楽しく観ることができるかも...?
日時:3月9日(土)14:00~15:00
場所:3Fアートスペース
話し手:山田幹(豊橋市図書館 知の伝道師)
定員:15名(予約先着順)
申込:イベント予約システムより申込
以前開催した「芸術の秋企画「良い絵」とは~オークションの視点~」が大好評だった、豊橋市図書館知の伝道師の山田さんを再度お招きし、また別の視点からアートに関するトークイベントを開催していただきました。
(以前のレポートはこちら)
3月に豊橋市の美術博物館がリニューアルオープンするということで、そちらにも興味を持ってもらい、足を運んでもらうきっかけになればと考えていました。
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最初に皆さんにはバインダーと白い紙、そしてクレヨンが配られ「2分間で皆さんが思う“明るい絵”を描いてください」という課題が出されました。
おそらく戸惑う方もいるのでは…と思っていましたが、予想以上にみなさんすぐに取り組んでらしたのが印象的です。
あっという間に2分が経ち、山田さんから一つの正解が発表されると皆さん「はぁ・・・?」という反応。
出された絵はRobert Rymanの「Series #17」。真っ白なキャンバスです。
なぜこれが美術なのか?というのを突き詰めるのが「美学」に対し、
なぜこれが“明るい絵”なのか?を突き詰めるのが「美術史」ということで、今回は美術史の観点から話が展開されていきました。
以降の話の流れは、大まかに書くと
・西洋の中世~近代にかけての「描かれた“光”の歴史」
・“光”を描くために「消えたモノ」
・豊橋市美術博物館で見てほしい作品
という流れでした。
特に「描かれた“光”の歴史」については、時代ごとの時代背景の説明から、誰が絵を欲しがり、誰のために描かれたのか?という点から説明していただいたので非常にわかりやすかったですね。
よく聞く「写実主義」や「印象派」といった、時代ごとに描かれる作品が異なったことにも理由があるということを知れて、「美術って面白いな…!」と思ったのは私だけではないはず。
しかもそういった作品たちに日本画が影響を及ぼしていたりと、知れば知るほど面白い話が盛りだくさんでした。
参加いただいたみなさんからも「面白かった!」と感想をいただいた本企画。
美術に興味のある方も、そうでない方も、きっともっと美術に興味を持つきっかけになったはずです。
ぜひまちなか図書館の資料も見ながらお楽しみください。
美術博物館のリニューアルオープン展にもぜひ足をお運びくださいね!